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公益財団法人 日本鳥類保護連盟は野鳥をはじめとする野生生物の保護と普及啓発を目的とする団体です。

― Today Birds, Tomorrow Man ―

コアジサシの渡り(オーストラリアーアジア)

 第26回国際鳥学会でのポスター発表 



Australia-Asia Little Tern Sterna albifrons Geolocator Project

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コアジサシは環境省レッドリストで絶滅危惧U類とされ、種の保存法で国際希少野生動植物種に指定されている希少種です。そして、彼らを保全していくためには、繁殖地、越冬地だけでなく、中継地も保全していかなくてはなりません。日本で繁殖するコアジサシは、標識調査による回収記録の結果で、主にオーストラリア南東部が越冬地であると推測されていましたが、中継地については、渡りルートが調査されていないため、誰も把握できていませんでした。これは、コアジサシがアジサシ類の中でも小さい種であるため、これまでGPSなどの追跡機器は重すぎて装着できなかったためです。そこで私たちは、2013年のコアジサシの繁殖期に、茨城県、千葉県、東京都、静岡県、大阪府において、計100羽のコアジサシにジオロケーターを装着しました。ジオロケーターは光と時間を記録して渡りルートを調べることができる機器で、装着用のフラッグ込でも1.2gと超軽量の機器です。そして2014年、私たちは、100 羽のジオロケーター装着個体のうち、8羽を再捕獲することに成功し、4個についてはデータを抽出し解析することができました。まだこれからデータを精査し、信頼性を上げていかなくてはなりませんが、この段階でも重要な情報を読み取ることができました。

1.渡りルートは日本から直接オーストラリアに南下するルートと、島伝いにフィリピン、インドネシアを経由する
  ルートの2つの説がありましたが、この4個のジオロケーターのデータから、島伝いに渡り、また島伝いに戻っ
  てくることが分かりました。

2.越冬地は主にオーストラリア南東部と考えられてきましたが、解析をした4個のジオロケーターが示した場所は
  フィリピン、パプアニューギニア、オーストラリア南東部は主な越冬地ではなかった可能性が考えられました。
  オーストラリア南東部に回収記録が多いのは、観察者や研究者が多い場所であったためであり、必ずしも、コア
  ジサシが多く越冬しているわけではないかもしれないということです。

3. まだ4個体分だけですが、個体によって越冬地が異なる点が注目されました。

4.日本から大陸に渡ってから南下している個体がいる可能性が出てきました。ジオロケーター自体が200〜300m
  の誤差があると言われているため、確証が得られるものではありませんが、今後検討していくべき点と考えられ
  ます。

今後は、継続調査によって記録を蓄積し、コアジサシの渡りの実態をより正確に把握していくこと、越冬地、中継地を把握し、保全に役立てていくことが必要となります。

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