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公益財団法人 日本鳥類保護連盟は野鳥をはじめとする野生生物の保護と普及啓発を目的とする団体です。

― Today Birds, Tomorrow Man ―

フィリピンでの活動のご報告2019


令和11023日から28日まで、経団連自然保護基金からの助成を受けて、フィリピン共和国での活動に参画してきました。今年で3年目を迎えるこの助成活動は、渡りをする猛禽類を保全することを目的としています。1年目は渡りに関する調査で協力、2年目の昨年は猛禽類の移動経路での森林再生に協力しました。今年も昨年同様、森林再生事業への協力と森林再生のための活動資金、中古双眼鏡の提供を行ってきました。
 訪れた場所はミンダナオ島南部、サランガニ州のタルタク山とガバナー・ヘネローソのチバンバンの2か所です。どちらもこれまでの調査で、アカハラダカやサシバなどの猛禽類が渡りルートとして利用していることが確認されています。そのルート上のエリアで、餌資源を育む森林を再生する取り組みです。

         
                   今回訪れた場所の位置

ECPCとタルタク山での森林再生


 10月23日、フィリピンの第3の都市ダバオの空港に到着し、まずはミンダナオ島南部サランガニ州にあるEnvironmental Conservation and Protection Center(以下、ECPC)へ向かいました。ECPCは民間団体と協力して環境保全に取り組んでいる政府機関で、昨年から私たちは森林再生のための活動資金と中古双眼鏡の提供を行っています。

   
                ECPCとその内部のフィリピンの生態系展示室

 翌日、ミンダナオ島の南端近くに位置するサランガニ州のタルタク山へ向かいました。タルタク山ではRaptorwatch Network Philippinesと日本鳥類保護連盟の呼びかけで、ECPCが昨年度より森林再生活動を行っており、樹木の種をタルタク山周辺から集めて、苗木を育てて植えています。現地では熱帯気候でのハードな登山を予想していましたが、今回の植樹場所は道路から15分ほど登ったタルタク山の中腹で、ちょっと安堵しました。
 これまで3,000本近くの植樹を行っていますが、半分近くは枯れてしまうようです。話を聞くと乾期における水不足が障害になっているそうです。町から遠く、さらにインフラの整備が追い付いていない場所なので散水の技術が確立されていないのです。最近になってようやく道路が整備されてアクセスしやすくなったそうですが、現地の森林再生事業においてこのような問題は氷山の一角かもしれません。私たちの助成活動で、今後少しでもよい森林が形成されることを願っています。

   
連盟のロゴが入った森林再生プロジェクトの横断幕         タルタク山での植樹活動 

   
     苗木が育ちつつある植樹エリア            植樹を行ったタルタク山で記念撮影

 植樹を終えた後、すぐ近くのラプターヒルと呼ばれる猛禽類の調査・観察を行う展望のよいスペースへ、タルタク山の植樹に参加した人たちと一緒に立ち寄りました。丘に登ると小規模ではありますがサシバがタルタク山から旋回上昇をして南へ渡っていく光景を観察でき、歓声があがりました。
 私たちが訪問するということで、地元の方たちがレチョン(豚の丸焼き)やフルーツの盛り合わせなどの食事や飲み物を用意しておもてなしをしてくれました。

   
     ラプターヒルで記念撮影                サシバの渡りを観察

10月25日 、私たちはサランガニ州の州知事を表敬訪問しました。ここで州知事を介し、ECPCに森林再生のための活動資金と皆さまからいただいた双眼鏡の寄贈を行いました。

   
       サランガニ州知事を介してECPCに森林再生のための活動資金と双眼鏡の寄贈

ガバナー・ヘネローソでの森林再生

 
 10月26日、私たちはもう一つの森林再生事業を行っているミンダナオ島南東部の東ダバオ州ガバナー・ヘネローソへ。
ここでは森林再生のスタッフやDavao oriental regional science highschoolの生徒たちが私たちを迎えてくれました。彼らはガバナー・ヘネローソの南端にあるCape San Agustinで猛禽類のカウントを行っていて、今回は2019年9月中旬から10月25日までのアカハラダカとツミの渡り状況を私たちに説明してくれました。その後、ガバナー・ヘネローソへ森林再生のための活動資金の受け渡し、学生たちに中古双眼鏡を寄贈しました。

   
               ガバナー・ヘネローソへ森林活動資金と双眼鏡を寄贈

   
              学生たちのCape San Agustinでの猛禽類カウント結果発表

 彼らと別れ、当日の宿泊地であるチバンバンへ。チバンバンで森林再生を行っている場所へ行くには、オフロードの山道を車で登ります。そこは高床式のロッジがあるキャンプ場のような場所でした。ここでワイルドな雰囲気の中で夕食を囲みながらチバンバンでの森林再生の状況やフィリピンの野鳥のことについて談笑しました

   
                    チバンバンの森林再生地の様子

 翌日は朝6時からチバンバンで植樹を実施。入口の歓迎看板にはうれしいことに私たち日本鳥類保護連盟の名前が入っており、その前で植樹を行いました。
 チバンバンの森林再生地は15haの面積があります。私たちはアクセスしやすい道路沿いで植樹を行いましたが、ここでボランティアしている方たちはハードな山道を伝って植樹を行っているそうです。ここ元々クロマイトの採掘場で、少し離れたところの採掘場跡地へも案内してもらいました。

   
      チバンバンでの植樹活動                  歓迎看板の前で記念撮影

 10月28日、無事に日本へ帰ってきました。フィリピンは環境教育や語学に関して日本以上に力を入れている印象を受けました。今回迎え入れてくれた学生たちは1つの学校で10名以上いて、彼らも馴染みのない猛禽類のことを一生懸命勉強し、私たちに発表してくれました。
 タルタク山の植樹活動でも紹介したように、道路などのインフラは発展途上なので、それが進めばさらに森林再生が推進すると感じます。 今回の支援が彼らの活動に有意義に生かされ、インフラの整備が進むことを願っています。


今回観察した鳥を少しご紹介します。
   
         モリツバメ                     ナンヨウショウビン

   
        シロガシラトビ                フィリピンの国鳥・フィリピンワシ
                              (フィリピンイーグルセンターにて)




この活動は、経団連自然保護基金からの助成で行いました。

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