【学校名】
兵庫県立篠山東雲高等学校
【活動タイトル】
外来生物から堀の環境を守れ!
~篠山城堀の外来生物の駆除活動~
【活動内容】
令和元年6月に、篠山城堀の近くに住む住民から市役所にウシガエルの鳴き声による騒音に対する苦情があった。そのことを知った私たちは、地域の環境を守る活動として、篠山城堀のウシガエルなどの外来生物の駆除活動と生物調査を始めた。
外来生物の捕獲方法は、定置網1個ともんどり10個を用いて行った。捕獲した外来生物については学校に持ち帰り、種類と個体数、生物量(総重量)を記録した。在来種については種類と個体数を記録して元の場所に戻した。
捕獲した外来生物のうち、ウシガエル(成体)については、解剖して胃の内容物を調べた。
【活動による成果・効果または活動によって今後期待できること】
令和2年から今年の6月までの5年間で、ウシガエルの成体25個体、幼体と幼生を8,409個体、ブルーギルを2,527個体、アメリカザリガニを2,156個体捕獲し駆除することができた。合計すると、13,000個体以上、75kg以上にもなった。ウシガエルの捕獲量は令和2年が最も多く次第に減少している。このことにより、ウシガエルの駆除の成果が出ている。アメリカザリガニにおいては令和4年まで多く捕獲している。捕獲したウシガエルの成体の胃内容物の多くはアメリカザリガニであることから、ウシガエルが減少した令和3年以降は一時的に増加したことが考えられる。しかし、継続的な駆除活動により、令和5年からアメリカザリガニの捕獲数も減り始めた。
ブルーギルは令和3・4年に一度減っていたものの令和5年になって再び増加し始めた。在来種のモツゴも令和5年から増え始めている。これはアメリカザリガニが減ったことにより、ブルーギルやモツゴの卵や稚魚が補食されずに生き残ったと考えられる。
現在はウシガエルの成体が堀の食物網の最上位になっている。ウシガエルの駆除が成功すれば、最上位種はアメリカザリガニ、ブルーギルへと置き換わり、モツゴなどの在来種も共存できるようになると考えられる。
【アピールポイント(活動において特に工夫したこと、注意・注目したことなど)】
捕獲した外来生物の活用方法について研究をしている。
ウシガエルは、もともと食用として持ち込まれた生き物なので、捕獲したウシガエルの成体の足を、唐揚げなどにして試食した。白身魚のような味と食感で、おいしくいただくことができ、食材として十分活用できることがわかった。また、アメリカザリガニも食用としての可能性があるか研究している。ゆでるとあざやかな赤色になり、見た目もおいしそうになった。ゆで時間が短いと肉が柔らかく、ゆで時間が長いと味が薄くなることがわかり、15分から20分間、ゆでることで、エビと同じような味と食感になり、抵抗なく食べられることがわかった。
食材に使えない外来生物は肥料にする研究もしている。加熱乾燥させた外来生物に牛糞を混ぜて、有機肥料が完成させた。これを培養土に混ぜ込み、ナスの栽培に活用している。
私たちの活動は、自然環境を守ることで地域に貢献するとともに、駆除した外来生物も、食材や肥料にすることで資源の循環にも役立っている。