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【学校名】

奈良県立磯城野高等学校②

【活動タイトル】

ハチと一緒にBee Together

【活動内容】

 私たちは、磯城野高校にある果樹園の生物多様性をテーマに活動をしています。活動をはじめるにあたって、在来生物であるニホンミツバチを果樹園に生息させたいと考え、まずは蜜源になる草本類の調査や生息している昆虫類を採集しました。また、橿原市昆虫館を利用されている子どもたちに対して、ミツバチの紙芝居や工作体験を行い、活動の発信をすることができました。

REPORT

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【活動による成果・効果または活動によって今後期待できること】

 環境整備の結果はニホンミツバチを巣箱のなかで確認することができませんでした。

 考察として2つあります。1つ目は、セイヨウミツバチとの競合です。巣箱の近くではセイヨウミツバチが飛来していたため、ニホンミツバチとの生息域の競合が考えられます。2つ目は、雨天による影響です。巣箱に雨よけの屋根を設置しましたが、雨の日が多かったため、誘引剤の効果を十分に活かすことができなかったと考えられます。

 昆虫調査の結果では、43種の昆虫を果樹園で確認することができました。今年は新たにオニヤンマを確認することができました。去年は全部で44種であったため、昨年と大きく変わらないという結果となりました。確認することができた昆虫の内訳については、害虫の数は減少し、益虫の数が増加しました。

 昨年と同様に果樹園に様々な昆虫が生息することができている要因として、ここでも草生栽培による地表面の草本類の種数が多いことが影響していると考えられます。また、多様な昆虫の生息は、一部の昆虫の大量発生を防ぐことが期待できるため良い結果であると考えられます。

植物調査の結果、果樹園には90種類の植物を確認することができました。そのうち、ニホンミツバチの蜜源植物が34種類も成育していることがわかりました。34種類のニホンミツバチの蜜源植物の開花時期を調べたところ、1年を通して蜜源植物の開花が見られることがわかりました。また、シロツメクサが広く生息しているエリアが見られました。

 90種類の植物を確認できた要因として、草生栽培を維持するための草刈りがあげられます。草生栽培とは、地表面で植物を成育させることで土壌有機物を豊かにすることができる栽培方法です。この草生栽培の維持管理である草刈りが地表面の「攪乱」になり、様々な植物が成育することができる環境条件になっていると考えられます。

 活動発信として行った工作体験や紙芝居についてのアンケート調査では、「この活動を続けてほしい」「分かりやすく勉強になった」「自分達で体験できて楽しかった」「みんなが楽しそうだった」などの意見を貰うことができました。

【アピールポイント(活動において特に工夫したこと、注意・注目したことなど)】

 環境整備・環境評価・活動発信に分けて、活動を行いました。

 環境整備では、昆虫と果樹の共存の到達目標として、ニホンミツバチが生息することができる環境づくりをはめました。二ホンミツバチは環境の変化に敏感な生物であり、在来種であるため生物多様性に配慮できていると言えます。二ホンミツバチが過ごせる環境を作ることでほかの多様な生物も過ごしやすくすることがねらいです。

 まず、巣箱を製作しました。製作するにあたって、田原本の養蜂場である藤田養蜂場に作り方や害虫の防除方法について教わりました。特にミツバチの天敵であるスズメバチの罠の制作方法についても教わりました。

 巣箱の設置については、気温や湿度の上昇に備えて木陰になる場所を選び、コンクリートブロックの上に設置しました。巣箱の周辺に訪れたミツバチが少しでも巣箱に入れるように、キンリョウヘンのフェルモンを含んだ誘引剤を巣箱に取り付けました。誘引剤は株式会社週末養蜂で購入しました。

 設置日は、インターネットのニホンミツバチの分蜂情報を参考にし、2024年4月10日にしました。設置後の巣箱の確認は週1回、分蜂のピークが過ぎる6月上旬まで行いました。6箇所設置しました。

 環境評価では昆虫と植物の調査を行いました。昆虫調査では、生息している昆虫を益虫と害虫、ただの虫に分類分けしました。植物調査では、二ホンミツバチの蜜源になる植物を調べることで二ホンミツバチの生息に本校の果樹園が適しているかを評価します。昆虫調査では、罠による採取と目視による確認で行いました。採取したものや目視で確認したものは、昨年の卒業生が作成した果樹園の昆虫リストや図鑑、インターネットで調べました。そして、生息している昆虫を益虫と害虫、ただの虫に分類分けしました。

 罠による採取では、ペットボトルを材料にし、誘引剤にバナナとモモを使用しました。 設置場所は、カキの果樹に14個、モモの果樹に11個に設置しました。植物調査では、二ホンミツバチの蜜源になる植物を調べることで二ホンミツバチの生息に本校の果樹園が適しているかを評価しました。本校の卒業生が作成した磯城野高校生物目録から私たちが果樹園で確認することができたものを抽出しました。その中から、ニホンミツバチの蜜源になる植物をインターネットで調べました。

 活動発信では、活動の成果を学校外の人に伝える取り組みとして、子どもたちに紙芝居や工作体験を行いました。

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