学校名:岡崎市立河合中学校
【活動タイトル】
河合の宝 ゲンジボタル
対象生物:
昆虫類
【活動開始年】
1966年
【活動に関わっている学年および生徒の数(年間)】
6人
【活動概要 】
・自然科学部員を中心に、ゲンジボタルの人工飼育と放流に取り組んでいる。今年は、7月に約3千の幼虫の飼育を開始した。約9ヶ月飼育を続け、来年4月に、1~200匹の幼虫を学区の河川や水路に放流する予定である。
・ゲンジボタルの生態や保護活動を知ってもらうために、広報誌「GENJI君」を発行したり、学校のホームページにゲンジボタルの情報を載せたりして、広報活動を行っている。
・全校生徒や学区の方々にゲンジボタルへの理解を深め、愛着を持ってもらうために、自身の手でゲンジボタルの幼虫を飼育する「マイホタル活動」や「ホタルの里親活動」を広めている。
・コロナ禍以前は、生徒会主催の全校生徒参加のホタル鑑賞会や河川美化活動を行ってきた。
【活動による成果・効果または活動によって今後期待できること】
活動による成果・効果または活動によって今後期待できること
・半世紀以上、保護飼育活動を続けてきたことで、ゲンジボタルの保護活動は地域に根付いていて、ゲンジボタルは地域のシンボル的存在になっている。学区にできた岡崎ゲンジボタル河合保存
会には500名以上の方が参加している。
・地域のゲンジボタルの保護活動が定着し、昭和47年に、天然記念物に追加指定された。
・大きな河川でのゲンジボタルの飛翔は減少傾向にあるが、細い小川や水路など、広い地域でゲンジボタルの飛翔が復活してきた。
・「マイホタル活動」を学区の小学校で行ってきたおかげで、学区の小学校にビオトープが造られ、ゲンジボタルの保護活動が小学校でも行われるようになった。
【アピールポイント(活動において特に工夫したこと、注意・注目したことなど)】
・長年の取り組みにより、保護活動は定着し、安定してきた。反面、保護活動開始当初のような熱意は薄れてきた。そこで、同じ活動の繰り返しにならないように、新鮮さを感じられる新しい活動を積極的に取り入れてきた。
・実物のゲンジボタルの成虫や幼虫をよく知ってもらうために、生きている成虫や幼虫を間近で見ることのできる展示をいろいろな形で行ってきた。実際に教室で幼虫を飼育してもらう「マイホタル活動」も広めてきた。さらに興味を持った人には、自宅でゲンジボタルの幼虫を飼育する「ホタルの里親活動」にも参加してもらった。今後、「マイホタル活動」も「ホタルの里親活動」もさらに広めていく予定である。ゲンジボタルのことを詳しく知り、自らの手で飼育すれば愛着も深まる。
愛着は、保護活動の原動力になると考えている。
【今後の課題、これからやってみたいことなど】
最終的には、人工飼育しなくてもゲンジボタルの飛び交う河合学区になることを目標にしている。
保護活動を始めた昭和の頃に比べ、学区を流れる主要河川の水質は良くなっている。しかし、ゲンジボタルの飛翔数は減少傾向にある。これは異常気象の増加により、増水や水不足の多発による環境悪化の影響下が考えられる。そのため、地域や行政など大きな力と連携した保護活動が重要になってくる。河川改修など、ゲンジボタルやエサのカワニナが安定して生息でき環境になるようにはたらきかけを行っていけたらと考えている。
広報誌やホームページによる情報発信に力を入れ、「マイホタル活動」や「ホタルの里親活動」のように、直接幼虫と関わる活動を増やしていきたい。ホタルのことをより多くの人に知ってもらい、親しみを持ってもらうことで、地域の宝のゲンジボタルのために行動してくれる人を増やしていき
たい。