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【学校名】

岡崎市立東海中学校

【活動タイトル】

未来へつなぐ襷~東海の自然を次代につなぐ~

【活動開始年】1991年


【活動に関わっている学年および生徒の数】16人

【活動内容】

 平成まで学区のため池に生息していた絶滅危惧ⅠB類のカワバタモロコの子孫たちの保護・繁殖活動を中心に、地域の自然を未来へ残すための活動をしています。保護・繁殖活動は、平成3年から始まりました。市内最後の生息池から学校に隣接する休耕田をお借りして作った池へ移した150匹から代々命が受け継がれています。また、屋内外の水槽でも飼育しています。繁殖は、屋外の自然に近い水槽で確認できていましたが、昨年度からは、屋内水槽での繁殖の可能性を探ってきました。人の気配に敏感なカワバタモロコが屋内で安心して生活できる環境を目指し、今年度産卵・ふ化に成功しました。

 

 また、学区を流れる川の生物を調査し、現在の自然環境を確認しています。カワバタモロコが消えてしまった環境を知ることは、生息できる環境を考えるヒントになります。

 

 他にも、学区内にある北山湿地の保全活動を行っています。山あいにある北山湿地には、湿地固有の植物が生育しており、貴重な昆虫も生息しています。ここでの保全活動は、市の環境施策課の方やボランティアの方の指導を受けながら活動しています。毎月1回の保全活動ですが、さまざまなことを教わりながら地域の自然を守るために活動しています。


【活動PR資料】

【活動による成果・効果または活動によって今後期待できること】

 今年度、カワバタモロコの屋内水槽で仔魚が誕生しました。今までは、屋内での産卵は難しいとされ、屋外に置いたバスタブで産卵した卵を屋内水槽へ移し、ふ化したものを池などに放流していました。しかし、昨年度からは、観察しやすい屋内水槽での産卵・ふ化を目標に活動してきました。今年度の繁殖期には複数の屋内水槽で追尾行動が確認できました。すぐには産卵確認ができませんでしたが、ビニール紐で作った水草と浮草タイプの市販の産卵床で確認ができました。親魚による捕食を防ぐため、親の水槽から移し、翌日には多くの仔魚がふ化しました。その後も追尾行動と産卵が数回ありました。これにより、屋内の透明水槽でも環境を整えれば産卵することが確認できました。

 

 屋内で産卵・ふ化ができるようになれば、外部からの影響を受けず、安定した繁殖を行うことができるようになります。数が増えれば、生息地となるべき場所を他にも探して放流することが可能です。以前は、学区のどこにでもいたというカワバタモロコが、元気に泳ぐ姿を見られる地域にすることが自然科学部の願いです。


【アピールポイント(活動において特に工夫したこと、注意・注目したことなど)】

 改めて、カワバタモロコについて調べ直し、安心できる環境づくりの工夫をしました。自然の池にいるカワバタモロコは、人の気配にとても敏感な魚です。水槽内には、隠れ場所となる石や流木、水草等を増やしました。隠れ場所ができてからは、慌てて隠れることはなくなりました。また、あまりにも敏感な状態の水槽は、しばらく色画用紙で側面を覆うことにしました。

カワバタモロコが姿を消した原因は、農薬の流入と護岸のコンクリート化による産卵場所の減少、外来魚による捕食が挙げられています。屋内でも産卵場所としてカワバタモロコが認めるような環境を作り出すことで、産卵は可能になると考えました。

 

 隠れ場所となる水草は、産卵床ともなるため数多く必要でした。長く使え、低価格なものにするために、身近あるビニール紐で手作りしました。卵がより付着しやすくなるように、ビニール紐で作った水草を固く丸め、熱湯をかけて縮れさせてから水で冷やし、形状を維持できるようにしました。複雑な形状の水草に卵が付着しやすくなり、密集した水草に隠されることで、卵を取り出すまでに親に食べられる確率が低くなったと考えます。

 

 ふ化後の仔魚の餌は、初期にはワムシの入った水と市販のメダカの仔魚用餌を与えました。また、自然繁殖している池の水にも微生物がいると考え、餌と一緒に少しずつ入れました。

多くの仔魚が親と同じような姿にまで成長し、泳ぎもしっかりしてきました。餌には自然のものを入れたほうが生存率が上がるのではないかと考えています。

​学校ホームページ:

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