【学校名】
石川県立津幡高等学校
【活動タイトル】
トキ保護の普及・啓発活動 ~トキと人とが共に暮らせる「朱鷺の里」の再生を目指して~
【活動開始年】2008年
【活動に関わっている学年および生徒の数】20人
【活動内容】
朱鷺サポート隊(略称トキサポ)は津幡高校独自の、そして、全国の高校で唯一、トキ保護の普及・啓発活動を行っているボランティアグループである。トキサポは結成以来、いしかわ動物園での分散飼育を後押しすること、そして、トキと人とが共に暮らせる「朱鷺の里」を再生することを目的に、様々な活動に取り組んできた。
具体的な取組としては、
① 毎年11月にいしかわ動物園で行われる「トキ里山館」の周年行事の際に新しいものを贈呈している。過去には、トキが飼育されている全国のすべての施設6カ所と中国(中華人民共和国)の施設2カ所に、トキの折り紙を千羽束ねた「千羽トキ」を贈呈し展示・紹介してもらった。
② いしかわ動物園をはじめ、金沢駅など県内外各地で、「トキメキ体験教室(工作教室)」やトキのポストカードの制作や配布など、多種多様な取組をタイムリーに行い、多くの人に楽しみながらトキへの理解を深めてもらっている。
③ NPO法人日本中国朱鷺保護協会の方々と協力し、県内の自治体にトキの絵本とポスターを配布した。また、田んぼの生き物調査を行った。
④ 能登地域トキ放鳥推進シンポジウムに参加し、本校の取り組みを発表した。
⑤ 地域の若手農業者で構成される「かほく農業青年グループ」と連携して、アクアポニックスにて小松菜の栽培と淡水魚「ホンモロコ」の養殖を同時に行う研究をしており、この研究で養殖してい「ホンモロコ」はいしかわ動物園に提供し、トキのエサとして活用してもらう。
⑥ 「22日はトキの日」を提唱し、トキについての普及啓発活動を行っている。昨年度、石川県知事である馳浩氏に「トキの日」の制定について直接お願いし、今年から5月22日がトキの日に制定された。
【活動PR動画】
【活動による成果・効果または活動によって今後期待できること】
・朱鷺サポート隊は、津幡高校の総合学科の生徒を中心としたボランティアグループである。そのため、所属している部活動に関係なく、ほぼ全ての生徒が活動に参加することできるので、活動の機械を沢山の生徒が得ることができる。
・長年の地道な活動により、現在では「いしかわ動物園」や「石川県自然環境課トキ共生推進室」からも我々の活動を評価して下さり、県内の様々なイベントへの出演を依頼される。
・毎年行っているいしかわ動物園でのトキメキ体験教室では、参加者の事後アンケートでは、トキについての興味関心が高まったという意見が毎回70~80%という結果が出ていることから、活動の成果が出ていると考えている。
・地域の若手農業者の団体である、「かほく農業青年グループ」の方々と、初めてアクアポニックスという新しい取り組みを共同で行うことができた。
・昨年度の能登地域トキ放鳥推進シンポジウムにて、「トキの日」の制定を馳浩石川県知事に直接お願いする機会をいただき、朱鷺サポート隊の長年の思いが叶った。トキの学名が「(2)ニッポニア・(2)ニッポン」であること(語呂合わせで22)、そして、5月22日が「国際生物多様性の日」ということで、トキをはじめとする希少な野生動物が生息できる自然環境や生物多様性の保全の重要性について学び、考える契機とするため、毎年5月22日は「いしかわトキの日」となった。
【アピールポイント(活動において特に工夫したこと、注意・注目したことなど)】
・朱鷺サポート隊の最終目的の達成にはかなり長い時間がかかるため、積極的に取り組んでいても「目に見える成果が感じられない」というジレンマがあった。しかし、石川県でのトキの放鳥が決定し、新型コロナの対応も5類に移行したことで、生徒たちが活動を一気に盛り上げていくことができた。
・生徒には常に「考えて行動すること」を心掛けさせており、この活動を何のために行うのかという目的意識を明確に持たせるようにしている。その結果、活動中の声掛けなども子供や大人といった年齢層ごとに対応を考えて行っている場面が見られた。
・幼少期からトキのことを知り、自然に親しみ、環境保全の大切さを身に付けてもらうために、ちいさな子供が楽しんで活動できる取り組みを考えながら行っている。
・2026年の県内での放鳥実現のため、そして私たちの最終目的である「朱鷺の里」の再生のためには、もっと多くの県民に、トキへの関心を高めてもらうことが肝要である。サポート隊は、このことを重点として活動を行っている。
学校ホームページ: