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フィリピンでの活動のご報告2017

フィリピンにあるフィリピン共和国(以下、フィリピン)は日本の南方に位置し、日本で繁殖する鳥や、エネルギー補給しながら日本を通過していく渡り鳥が、日本を離れ渡っていった先にある国です。フィリピンで冬を過ごす鳥もいれば、フィリピンを越えてさらに南へ行く鳥もいます。そのフィリピンで行われている猛禽類の保護活動を支援する日本鳥類保護連盟も活動を開始したことはこれまでも紹介してきました。今回私たちは、経団連自然保護基金の助成をいただき、フィリピンで猛禽類保護のための活動をサポートしてきましたので報告します。

猛禽類のカウント調査と双眼鏡の寄贈

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今回訪れた場所の位置

フィリピンにあるWild Bird Club of the Philippines(以下WBCP)Raptor groupではフィリピンから出ていく数をカウントすることでフィリピンを利用している猛禽類の全体像を把握しようと、春季、ルソン島の最北端で北上する猛禽類の調査を進めてきました。そこで今回私たちは、秋季に南下する猛禽類が出ていくだろうミンダナオ島のサン・アグスティン岬とサランガニにおいて地元の学生やボランティアの方達と共に調査を行い、ルソン島でのカウント結果と合わせて渡りをする猛禽類がフィリピンにどれくらい越冬しているかについて、重要なデータを蓄積しました。サン・アグスティン岬では、アカハラダカは南方のインドネシアに渡っていくもの、サランガン二のほうに渡っていくものなどが見られました。そしてここでは地元の学生たちが炎天下の中、渡っていく猛禽類の調査をしていました。調査に使っているのは、皆さんから寄付していただいた中古の双眼鏡、望遠鏡です。私たちの寄付が役立っているのを見ることができ、感激してしまいました。その後、私たちは今後の調査の発展に期待を込めて、新たに日本で寄付していただいた双眼鏡を町に寄贈してきました。

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市長へ双眼鏡を寄贈する様子
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調査風景(サン・アグスティン) 
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アカハラダカ幼鳥(サン・アグスティン)
次に向かったのはサランガニ。ここでも渡っている多くはアカハラダカで、私たちが滞在中に10万羽を超えたとの報告もあったぐらいにたくさんのアカハラダカが渡っていきました。そしてここでも私たちが寄付した双眼鏡や望遠鏡が調査に役立っていました。中古の双眼鏡を使って観察する地元の大人や子供たち。そして子供たちの無垢な笑顔はまぶしすぎるぐらいに生き生きとしていました。私たちも調査に参加し、炎天下の中のカウントでしたが、時間差で次から次へと現れるアカハラダカのタカ柱には、炎天下を忘れるぐらいに心奪われました。
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調査風景(サランガニ) 
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調査地からの景色(サランガニ)
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アカハラダカの鷹柱(サランガニ)
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ハチクマ(サランガニ)

森林再生の為の植林プロジェクト

 サン・アグスティン岬のあるガバナー・ヘネロソ町は、南側の大半をココナツ林が占めています。サシバであればココナツ林につくコガネムシを食べるため、エネルギー補給ができる良好な環境となりますが、ここを渡っていくアカハラダカは自然林でトカゲなどを捕食するため、ココナツ林ではエネルギーを補給することができません。サン・アグスティン岬を飛び出すとその先は餌が捕れない海のため、ガバナー・ヘネロソ町で十分なエネルギー補給ができるかどうかは、アカハラダカの渡りを左右する大きな問題です。そのガバナー・ヘネロソ町で、現在植樹の活動が進められています。植樹場所は採石場跡のため木は小さく、森も貧弱と言わざるを得ないような場所です。チバンバンのJoey Gamao氏は、森を再生し、資源を復活させるため、町の協力を得ながら植樹を続けています。ここで森林再生の活動を進めていけば、アカハラダカのエネルギー補給のために大きく貢献できるだけでなく、フィリピンワシやその他の野生動物にとっても、かけがえのない森に成長することでしょう。今後は、この植樹をサポートしていくことを検討していきたいと考えています。
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植樹の苗
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植樹祭での植樹の様子

フィリピンでの活動は始まったばかりです。フィリピンを保全することは日本の鳥類を保全することにつながります。今後は植樹を通してアカハラダカやフィリピンワシなどの野生動物に大きく貢献できるよう、フィリピンのグループと協力しながら活動を続けていきたいと思います。今後も皆さんのご協力をよろしくお願いいたします。

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この活動は、経団連自然保護基金からの助成で行いました
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