紀の川下流における継続的な魚類相調査

〇活動期間:2023年5月~
〇参加人数・部活名等
理学部 生徒20名、教員2名
〇活動場所
紀の川下流の2か所

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活動内容

・私たち理学部は2023年5月から現在まで、毎月1回、紀の川下流の2か所で魚類相の調査を行っています。調査地点は、ワンドという流れが弱く淀みがある場所と比較的流れがある場所(本流とよぶ)の2か所です。

・毎月、調査の2日前に罠を仕掛けています。調査当日は、罠を回収する以外に、投網、たも網を使った魚類の採集を行い、魚の同定と体長の測定をして天気や水温とともに記録しています。

・継続的に調査をすることで、各月の結果と過去のデータを比較参照し、個体数の増減の傾向や生息状況の変化を把握することに繋がります。また、そこから外来種の駆除や在来種の保全に有効な手立てを考え、実践していきたいたいと考えています。

・調査で分かった結果や考察をまとめ、ポスターや論文として発表しています。また、和歌山県立自然博物館の先生から定期的に研究内容について助言をいただき、専門的な視点を取り入れながら内容を改善するようにしています。

・調査地点で採集した様々な魚類を持ち帰り、それぞれの生態に合わせて学校で飼育・観察を行っています。魚類の生きた姿を間近で見ることで、野外調査だけでは気づけない生態の理解に繋がっています。魚類だけではなく、両生類であるアカハライモリの飼育も行い、多角的な視点から生き物への理解を深めています。

・飼育している魚類の中の何種かについては、動物行動学などの観念で研究を進めたいと考えています。具体的には、ヨシノボリの鏡像実験などを計画しています。

・日頃の活動以外に、年に一回、和歌の浦干潟で生物観察会を行い、多様な水辺の環境や生物相についての理解を深めています。また、和歌山県立自然博物館に行き、多様な生物の生態や生物以外の展示を見学することで、幅広い視野から自然への学びを深めています。

・本校はイギリスのダートフォードグラマースクールと姉妹校の関係にあり、学校間交流の際には、これまでの活動内容を英語で紹介し、魚を通した国際的な交流を行っています。


成果・工夫した点

・先輩から引き継いだ調査を継続しているので、複数年にわたるデータの蓄積があります。

・調査方法については、罠は調査の2日前に決まった数を仕掛ける、投網の投げる回数やたも網を使う時間を揃えるなど、基本的には毎回同じ方法になるよう工夫しています。調査方法に一貫性があることで、個体数の増減などが比較しやすくなります。また、天気や水温も必ず記録し、環境の変化の影響を考察できるようにしています。

・紀の川での調査については毎年県に申請し、特別採捕の許可をいただいています。また、まれに鮎が捕れることもあるので、紀ノ川漁業協同組合に投網の遊漁承認をいただいています(有料)。

・採集した魚の同定は図鑑などを用いて自分たちで判別することを基本にして、必要に応じて博物館の先生や先輩から助言を受けることで判別の制度を高めています。

・ワンドと本流という環境の異なる2地点を調査し、それぞれの水域で確認された魚種や個体数の違い、増減を比較・分析することで魚類相の傾向を考察しています。また、複数年の調査を比較することで、周期的な魚類相の変化やその要因などについても考察している。

・学校で実際に魚を飼育することで、種ごとの生態や行動、水質に対する敏感さなどを感じ、理解をより深めることができています。

・和歌山県立自然博物館の先生から研究内容について定期的に助言をいただき、研究内容をより深く検討する機会にしています。研究成果は、ポスターや論文として積極的に発表しています。自分たちの学びを地域や学校の枠を超えて発信し、生物多様性保全の大切さを広く知ってもらうことに力を入れています。

○発表会への参加、表彰等(一部)
・第25回わかやま環境賞(令和8年6月8日、和歌山県)わかやま環境大賞
・令和6年度東京動物園協会野生生物保全基金活動報告会(令和7年12月13日、東京都)
・南紀生物同好会2025年度秋の研究発表大会(令和7年12月7日、和歌山県)
・第81回魚類自然史研究会(令和7年10月4日~5日、大阪府)
・令和5年度東京動物園協会野生生物保全基金活動報告会(令和6年12月14日、東京都)
・令和6年度和歌山県高等学校生徒科学研究発表会(令和6年12月10日、和歌山県)生徒投票賞
・第68回日本学生科学賞(和歌山県審査)(令和6年10月8日、和歌山県)県知事賞
・日本水産学会秋季大会高校生ポスター発表(令和6年9月26日、京都府)
・令和6年度SSH生徒研究発表会(令和6年8月7日、兵庫県)ポスター発表賞
・第23回わかやま環境賞(令和6年6月5日、和歌山県)わかやま環境賞
・魚類自然史研究会(令和6年3月9日、奈良県)
・サイエンスキャッスル2023関西大会(令和5年12月17日、大阪府)奨励賞

○論文掲載
・南紀生物同好会会報「くろしおNo.44」(令和7年9月30日)
・「水生動物(Aquatic Animals)第2024巻」(令和6年10月15日)


🏫学校情報

和歌山県立向陽高等学校

〒640-8323
和歌山県和歌山市太田127