
愛媛県松山市吉藤川におけるクレソンの適切な管理方法
🏫愛媛県立松山西中等教育学校📍愛媛県
〇活動期間:
〇参加人数・部活名等
ES部 科学・情報部門 生徒5名、教員2名
〇活動場所
学校周辺、吉藤川
活動内容
私たちは、松山市を流れる吉藤川に生育するクレソンについて調査・研究を行った。研究を始めたきっかけは、吉藤川でクレソンが大量に発生していることを知り、クレソンの大量発生による河川環境への影響を明らかにしたいと考えたことである。そこで、吉藤川の調査区間を設定し、クレソンの分布状況を調査した。調査では、川の様子を実際に観察し、クレソンが生育している場所を確認するとともに、まとまって生育している群落の大きさを写真や現地での観察から推定した。また、同じ場所を再度調査し、前回の調査と比べてクレソンの分布や群落の規模にどのような変化があるかを確認した。
調査結果から、クレソンの生育状況は調査した時期によって変化していたことが分かった。その原因について、気温や水温、河川の流量などが関係している可能性を考えたが、これらを継続して測定していないため、原因を特定することはできなかった。また、今後行う生育実験に用いるため、吉藤川に生育していたクレソンの一部を採取した。
今回の調査では、吉藤川でのクレソンの分布や生育状況を記録し、今後の実験につなげるための資料を集めた。調査結果をもとに、クレソンの生育状況が変化した理由について考察し、今後の研究で調べる内容を整理した。
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成果・工夫した点
本研究では、松山市の吉藤川で大量発生しているクレソンに着目し、自分達の身近な地域で実際に起きている環境問題を研究テーマとした。
クレソンは身近な植物だが、外来植物としての繁殖力が強く、在来植物や水生生物等への影響が心配されている。また、クレソンには水中の窒素やリンなどを吸収する水質浄化の働きもある。
このように、河川の環境にとって問題となる場合と、水質浄化に役立つ場合の両方を持つ植物であることに注目し、単純に「外来植物だから除去する」と考えるのではなく、吉藤川の実際の状況を調べた上で適切な管理の方法を考えることにした。研究の最終的な目標についても、クレソンの分布や生育状況を調べるだけではなく、完全に除去する、一部分を除去する、様子を見る等どの方法が吉藤川に適しているのかを検討するようにした。
クレソンが大量に繁殖している場合には河川の流れや生態系が影響を及ぼす可能性があるが、すべてを除去すると、水質浄化の働きまで失われる可能性がある。そのため、クレソンによる影響と水質浄化の働きを合わせて考え、実際の河川の環境に適した管理方法を検討できるような研究を目指している。分布調査では、クレソンがあるかないかだけではなく、群落の大きさにも注目した。
生育している場所だけを記録すると、クレソンがどの程度繁殖しているのかを比較しにくいためである。そこで、まとまって生育している場所について、現地での観察や写真をもとにして長さや幅を確認し、おおよその面積を推定した。
6月5日の調査では、特に大きな群落が約20~30 m²と推定されたのに対し、7月16日には約2~4 m²になっていた。このように面積を推定することで、クレソンの分布状況を生えているか生えていないかだけでなく、群落の規模の変化として比較することができた。また、調査範囲を約2350 mに設定したことも研究をする上での工夫である。調査場所を一部に限定せず、上流側の吉藤ラドンの郷ホタル公園付近から下流側の吉藤常夜燈付近までを対象にして、3つの区域に分けて調査した。広い範囲を調べることで、特定の場所だけの状態ではなく、吉藤川の中でクレソンがどのように分布しているのかを把握できると考えたからだ。
また、6月5日と7月16日に同じ区域を調査したことで、時期による変化も比較できるようにした。実際に調査を行うと、6月5日には区域1~3のすべてでクレソンが確認されたが、7月16日には区域3のみでしか確認されなかった。また、確認された群落の規模も大きく縮小していた。この結果から、吉藤川のクレソンは短期間でも分布や群落の大きさが変化することが分かった。
ここで、クレソンが減少した原因を一つに決めつけなかったことは重要だったと考えている。減少した原因として、季節による水温や気温の変化、河川流量の変化、増水、流速の違い等、さまざまな可能性が考えられるからだ。しかし、今回の調査ではこれらの条件を継続して測定していないため、どの要因が減少に影響したのかを判断することはできない。そのため、単純に季節の変化だけを原因とするのではなく、さまざまな環境条件が関係している可能性を考えた。
このように、今回の調査結果から分かることと、まだ分かっていないことを区別した。今後は、水温、流速、水深、pH、CODなどの環境の条件を調べ、クレソンの分布や群落の大きさとの関係を比較する必要がある。特に、季節の変化だけでなく、増水などの一時的な環境変化や水質の違いにも注目することで、クレソンが増減する理由をさまざまな視点から考えることができると思う。本研究では、身近な吉藤川のクレソンをきっかけに、約2350 mの範囲を実際に調査し、分布の有無だけでなく群落の規模や時期による変化を観察した。また、観察された変化の原因を簡単に決めつけず、 さまざまな環境の条件が関係している可能性を考察した。
こうした調査を積み重ね、最終的に吉藤川の環境を良くするために、クレソンをどのように管理することが適切なのかを考えられる研究にしていきたい。
🏫学校情報
愛媛県立松山西中等教育学校
〒791-8016
愛媛県松山市久万ノ台1485-4
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