岡山のナゴヤダルマガエルを救え!幼生の飼育条件の検討

〇活動期間:2023年6月~
〇参加人数・部活名等
自然科学部・生命科学コース 生徒50名、教員1名
〇活動場所
学校、生息地の田んぼ

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活動内容

 本校自然科学部では、絶滅危惧IB類に指定されているナゴヤダルマガエルの保全を目的として、「域外保全における幼生飼育条件の研究」と「保護啓発活動」の2本柱で取り組みをしました。
 岡山県内では河川開発や水田の乾田化等により本種の生息地が激減しています。これに対して、地域団体が主導する「里親活動(中干し時の幼生を一時保護・飼育し放流する取り組み)」に2023年から参加してきましたが、手探りの飼育による大量死を経験したことから、幼生の最適な飼育手法の確立について研究することにしました。2024年に飼育した個体の一部を屋外水槽で継続飼育しました。
 研究面では、大型水槽に校内で採集した身近な昆虫類などの餌を与えて自然環境を再現し、岡山県内の自然飼育下として初となる成体の産卵・孵化(約3,700匹の幼生)に成功しました。さらに、80Lトロ舟を用いて、飼育密度や代替餌(タンポポの葉)の有効性、高水温対策(日陰テント設置等)といった飼育条件の検証実験を行いました。これらの実験を経て成長した幼体のうち、計470匹を岡山市大野の保護田んぼへ放流し、生息数の回復に貢献しました。
 普及啓発面では、校内渡り廊下に大型水槽を設置して全校で飼育を見守る体制を構築したほか、有志生徒による「だるまがえるくらぶ」を結成。地域の環境イベントや公民館での観察会へ出展し、実物展示やクイズ等を通じて生息環境保護の重要性を広く発信しています。今後は保全田んぼでの生存率調査などの域内保全にも取り組みを拡大していく予定です。


成果・工夫した点

①研究(域外保全)
・岡山県内の自然飼育下で初となる産卵・孵化の成功
 市販の飼育用コオロギに頼らず、校内で採集したミミズやバッタなど時期に応じた自然界の餌を与えて自然環境を再現する工夫を行った。その結果、前年に誕生した飼育個体(13匹)が2年目で成熟し、岡山県内の自然飼育下として初めて産卵に成功した(約3,700匹の幼生が誕生)。
・飼育効率を高める容器と餌の改良工夫
 大量の幼生(オタマジャクシ)を飼育するため、従来の水槽から80Lのトロ舟へ移行した。また、定番の茹でたホウレンソウが高価になる季節を見越し、身近な野草(タンポポ)での代替を検討・検証した。実験の結果、タンポポを与えた水槽でも前肢の出現に遅れが見られず、ホウレンソウの有効な代替餌として使用できることを実証した。
・高水温リスクの把握と飼育環境の改善
 夏場の水温上昇(40度以上)による大量死を経験したことから、日陰を作るためのテント設置や草地への水槽配置といった迅速な環境改善措置を講じた。また、80L容器であれば300匹程度の高密度下でも水質悪化を起こさず飼育可能であること、水温制御の重要性など、今後の生存率向上につながる知見・課題を得た。
・生息地への還元(計470匹の放流)
 飼育・研究によって上陸させた幼体(カエル)のうち、計470匹を岡山市大野の保護田んぼへ無事に放流し、絶滅危惧種の域外保全・野生復帰に直接貢献した。

②保護啓発活動
・校内全体を巻き込む広報・飼育体制
 自然科学部や生命科学コースを中心としつつ、校内の渡り廊下に大型水槽を設置することで、全校生徒や教職員全員が飼育活動を認知・関心を持つ環境を作った。
・「だるまがえるくらぶ」による地域社会への発信
 有志生徒による「だるまがえるくらぶ」を結成し、地域での観察会や行政の環境イベントへブース出展を行った。成体・幼生の実物展示やクイズ、ポスター発表などを通して、地域住民や子どもたちへ絶滅危惧種の保全の重要性を広く発信した。また、学校主催の観察会や中高生の勉強会も開催することで、保護活動に取り組む仲間づくりを継続している。


🏫学校情報

ノートルダム清心学園 清心中学校・清心女子高等学校
〒701-0195 
岡山県倉敷市二子1200