シジュウカラガン復活プロジェクト

〇活動期間:2022年~
〇参加人数・部活名等
外国語コース全学年182名
〇活動場所
学校周辺、七北田低地、化女沼

🌐外国語コース「シジュウカラガン復活プロジェクト」

活動内容

 仙台育英学園高等学校外国語コースでは、2022年度から「シジュウカラガン復活プロジェクト」に取り組んでいる。シジュウカラガンは、「ほっか」の愛称で親しまれてきた渡り鳥だ。仙台市と多賀城市にまたがる七北田低地は、昭和10年頃までシジュウカラガンの国内唯一の越冬地であった。繁殖地でのキツネの放獣や越冬地の環境変化などにより一時は絶滅の危機に瀕したが、日本雁を保護する会や仙台市八木山動物公園などの長年の努力により、現在個体数は回復傾向にある。私たちの学び舎は七北田低地に位置していることから縁を感じ、豊かな自然と歴史があった七北田低地に、再びシジュウカラガンの群れを呼び戻したいと考えるようになった。多賀城の空をシジュウカラガンが舞う美しい風景の復活を目指し、私たちは日々普及啓発活動に取り組んでいる。シジュウカラガンが辿ってきた歴史や生態系について学び、その学びを地域へ発信する活動を行っている。
 毎年、日本雁を保護する会 呉地正行会長による講演会や環境コンサルタントの東北緑化環境保全(株)による勉強会を実施するほか、宮城県大崎市化女沼でのシジュウカラガン塒入り観察会を実施している。学校で得た知識と、シジュウカラガンの群れを実際に観察するという実体験を結び付けることで、理解を深めている。さらに、地域とのつながりを育むため、多賀城市長への政策提言を行ったり、多賀城市立図書館や仙台市八木山動物公園、市民センターなどで対象世代に合わせた普及啓発(紙芝居・塗り絵・展示パネル制作など)を行ったりするなど、多様な活動に取り組んでいる。藤崎百貨店と三本珈琲との「ほっか珈琲」企画では、パッケージデザインや応援メッセージを担当し、企業とコラボした新たな普及啓発にも挑戦した。高校1年生でシジュウカラガンの歴史などを学び、高校2・3年生からはその学びを行動に移し普及啓発活動に取り組むなど、高校3年間にわたり継続的に活動している。生き物の豊かさを取り戻す「ネイチャーポジティブ」がシジュウカラガンの盛衰の歴史と重なることなども学びながら、人と自然が共生する社会の実現を目指して活動に励んでいる。

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活動紹介動画


成果・工夫した点

 私たちの活動の特徴は、高校生ならではの発想力を活かし、「親しみやすさ」、「広める」を大切にしながら地域での普及啓発活動に取り組んでいる点である。

1.「親しみやすさ」から関心を持ってもらうための工夫
 小さい子どもたちにとって、シジュウカラガンの歴史や周辺地域の自然環境に関する話は少し難しいように感じた。そこで私たちは子どもにとって「親しみやすい」という視点を意識した。また、私たちと同世代への認知を拡大するため、若い世代にとっての「親しみやすさ」も考えた。
取り組み① 紙芝居制作
 子どもたちに、シジュウカラガン個体数復活までの道のりや七北田低地の歴史を知ってもらうため、呉地正行会長の著書『シジュウカラガン物語』をもとにしたオリジナル紙芝居『ホッカ またナナキタに来てね』を制作した。小さな子どもたちにとって親しみやすい紙芝居を用いることで、『シジュウカラガン物語』の本の内容を理解してもらえると考えた。また、子どもたち以外にも紙芝居を知ってもらうため、日本語・英語での紙芝居朗読動画も制作した。
取り組み② 「ほっか帽」デコレーション企画
 桑原香織さん制作の紙製シジュウカラガン帽子「ほっか帽」のキットを活用し、事前にキットを組み立て、当日子どもたちにその「ほっか帽」をデコレーションしてもらうという企画だ。カラーペンで自由に絵を描いたり、キラキラのシールを貼ったりして、子どもたちが「シジュウカラガン」を可愛くメイクするのである。デコレーションしながら、シジュウカラガンの白・黒を基調とした特徴を知ってもらうことができると考えた。
取り組み③ 塗り絵制作
 5種類のシジュウカラガン型の塗り絵を制作した。子どもたちが塗り絵を体験する際、白・黒の実物通りの色にこだわらず、子どもたちの好きな色で塗ってもらい、オリジナルのシジュウカラガンを完成させる。そして、完成した塗り絵を、模造紙に描いた「秋の夕暮れ」を背景に吊るしてもらうことで、まるで夕暮れの空をシジュウカラガンの群れが飛んでいるかのような枕草子の情景を作るという企画である。
取り組み④ 「ガンピポーズ」考案
 若い世代はSNSを日常的に使い、写真を撮る機会も多い。そこで「写真撮影する際に使えるポーズがあれば、若い世代にも広まるのではないか」と考え、シジュウカラガンのくちばしをイメージした「ガンピポーズ」を考案した。「ガンピポーズ」普及のため、私たちもシジュウカラガン復活プロジェクト関連のイベントを行う際、決めポーズとして使用している。

2.地域や企業とともに「広める」
 地域の方々や企業などと協力することで、発信の幅を大きく広げる。
取り組み① 地域での交流
 仙台市八木山動物公園のイベント参加、多賀城市立図書館でのトークイベントやワークショップ開催、福室市民センターまつりでの展示・体験ブース出展、高橋地区生活センターでの「おむすび交流会」など、地域に根ざした活動を行ってきた。小さい子どもにはオリジナル紙芝居の読み聞かせや塗り絵、高齢者の方々には直接声がけやパネル展示など、世代に応じたコミュニケーションの工夫を取り入れた。
取り組み② 企業とのコラボレーション商品「ほっか珈琲」
 藤崎百貨店、三本珈琲との企画では、商品のパッケージデザインや応援メッセージを担当した。絵を得意とする生徒が、若い世代にも「可愛い」と思ってもらえるようなシジュウカラガンをイメージしてデザインを描いた。お歳暮カタログへの掲載やテレビ番組への出演などを通して、幅広い年齢層にシジュウカラガン復活プロジェクトを広めることができた。
取り組み③ 同世代の仲間たちとの連携
 宮城県大崎市主催「『蕪栗沼・周辺水田』ラムサール条約湿地登録20周年祭」と、日本雁を保護する会主催ネイチャーポジティブシンポジウム「よみがえれシジュウカラガンふるさと仙台へ!」に参加した。ラムサール条約20周年祭では、「『蕪栗沼・周辺水田』つなげ100年先の未来まで」というテーマのもと、古川黎明高等学校との合同パネルディスカッションを行い、これまでの活動成果を発表し合った。また、シンポジウムでは、「シジュウカラガンの取り組みからネイチャーポジティブ実現のヒントをユース世代と共に考える」というテーマで、これからの自然環境の未来について、環境保全活動に取り組んでいる同世代の仲間たちと議論を深めた。


🏫学校情報

仙台育英学園高等学校 多賀城校舎
〒985-0853
宮城県多賀城市高橋五丁目6-1