
都市開発が進む地域における自然と生物多様性
🏫奈良学園登美ヶ丘中学校・高等学校📍奈良県
〇活動期間:2020年5月~
〇参加人数・部活名等
自然再生研究会 生徒20人 教員1名
〇活動場所
奈良学園登美ヶ丘キャンパス、木津川水系河川とその周辺、淀川水系河川とその周辺
活動内容
私たちの学校がある奈良市登美ヶ丘地域(以下、登美ヶ丘地域)では、住宅地開発に伴い、本来地域に存在していた自然環境が失われつつある。そこで私たちは、登美ヶ丘地域の失われた自然を取り戻し、地域の生物が安定して生息できる環境を増やすことを目的として活動している。活動では、学校周辺を流れる木津川や山田川などにおける生物相の調査と、生物の保護を目的としたフィールドワークを定期的に実施している。保護した生物は、校内のビオトープや校舎内に設置した水槽で飼育・繁殖を行っている。
一方で、学校に飛来するサギやカルガモなどの野鳥による捕食が増加し、ビオトープ内の魚類が絶滅した事例もあり、現在の課題となっている。また、年2~3回程度、学校周辺の生物相調査を市や県、大学などの専門家と連携して実施している。専門家と協力することで、より専門性の高い調査や生態系の把握につなげている。
最近では、生駒市で絶滅が危惧されているカワバタモロコの保護活動を、生駒市やボランティア団体と共同で行っている。さらに、2026年6月から開始した繁殖活動では、新たに20匹以上の繁殖に成功した。私たちは研究活動だけでなく、自然環境の保全に対する理解を広げる啓発活動にも力を入れている。幼稚園児から高齢者まで幅広い世代が楽しみながら生き物と触れ合える環境づくりを目指し、奈良市内外のイベントや本校附属幼稚園において、生き物との触れ合いや自然保護の必要性を伝える活動を行っている。また、SNSを活用した情報発信や、他団体との交流を通じて、活動の成果をより多くの人に発信している。現在は、住宅地開発や都市開発による自然環境の減少への対策として、開発そのものを止めるのではなく、マンションやショッピングモールなどの屋上や周辺にビオトープを整備することを計画している。
都市開発と自然保護を両立させるため、建物の屋上などの未利用空間を生物の生息場所として活用することを目指している。また、屋上にはシラカシやアラカシなどの樹木を植栽し、生物が生息できる環境だけでなく、人も自然を身近に感じながら快適に過ごせる空間の創出を目指している。自然再生研究会の最終的な目標は、地域の生物が安定して生息できる環境を形成するとともに、都市開発と自然環境の保全を両立させ、自然と人が共存できる地域環境を形成することである。
PR資料
Skip to PDF content成果・工夫した点
1.日本水産学会春季大会における優秀賞受賞
2021年、日本水産学会春季大会「高校生による研究発表」において、「奈良学園登美ヶ丘キャンパスにおける魚類が安定して生息できる環境の創出について」を発表し、優秀賞を受賞した。
2.「京都大学への架け橋」奈良県代表
2021年、「京都大学への架け橋」に奈良県代表として参加し、「奈良市登美ヶ丘地域周辺における生態系変遷の解明とその復元」をテーマに発表した。
3.京都大学サイエンスフェスティバルでの研究発表
2022年、京都大学サイエンスフェスティバルにおいて、「生態系変遷データベースの構築と自然再生活動における活用」をテーマに発表した。申請者は、研究計画の策定、発表資料・原稿の作成、発表及び質疑応答を担当した。
4.2022年度クリタ活動賞受賞
2022年度環境科学会「高校活動奨励賞(クリタ活動賞)」において、「奈良市登美ヶ丘地域における郷土の普通種が安定して生息できる環境の再生に関する研究」が採択された。受賞後も、ビオトープ「修景池」を中心とした生物調査と水辺環境の整備を継続している。
5.希少淡水魚の繁殖・保護及び生物調査
絶滅が危惧されているカワバタモロコの繁殖・保護に取り組み、稚魚の育成や繁殖条件の調査を行っている。また、水中カメラや定点カメラを用いて、在来淡水魚、野鳥、外来種ヌートリアなどによるビオトープの利用状況を記録している。
6.「#SASS2025」シンギュラリティ高校賞受賞
2025年度、「奈良市登美ヶ丘地域の自然を取り戻す~みんなでつくる自然再生~」を発表し、SDGs/サスティナビリティアワード「#SASS2025」においてシンギュラリティ高校賞を受賞した。
7.生徒主体の環境保全・研究活動
生徒が調査計画の立案、生物調査、環境整備、データ分析及び成果発表に主体的に取り組んでいる。学会や研究発表会、校内展示、動画等を通して、地域の自然環境と生物多様性保全の重要性を発信している。
🏫学校情報
奈良学園登美ヶ丘中学校・高等学校
〒631-0003
奈良県奈良市中登美ヶ丘3丁目15-1
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