
私たちの愛鳥活動
🏫豊田市立滝脇小学校📍愛知県
〇活動期間:昭和 41 年4月~ 愛鳥活動61年目
〇参加人数・部活名等
全校児童 25 名 教職員 9 名
〇活動場所
学校周辺(校庭周辺と学校横にある野鳥の森)
活動内容
滝脇小学校は、周りを森に囲まれた標高242mに位置し、約2ha の野鳥の森に隣接した環境にある全校25名の小規模校である。昭和41年、愛知県の「愛鳥モデル校」に指定され、「知る活動」「守る活動」「広げる活動」の3本柱を立てて、子どもたちの発達段階と興味・関心を大切にした愛鳥活動に取り組んでいる。野鳥の減少など自然環境の変化がある中で、地域の方々の協力を得て、「愛鳥教育を柱とした自然との共生」をテーマにした活動に大きく進化し始めている。
1 知る活動
(1)低学年「愛鳥心を育み、自然の面白さを追求」
給餌活動を行う中で、野鳥に親しむ。野鳥の生態に興味をもち、追究したいことを徹底的にやり抜く。また、目の前に現れる愛らしい野鳥を見て楽しむことで、愛鳥の心を育んでいる。また、今回は野鳥の水浴びに興味を抱き、試行錯誤を繰り返す中で、野鳥が集まる水浴び場をつくった。
(2)中学年「野鳥の森の営みを探求と紙粉の巣」
野鳥の森の自然を徹底的に探索し、自ら探究したいことを見いだした。「大きな岩が割れている」「森を知るためにはどんぐりから」などのテーマを掲げ、追究をした。岩が割れるのは自然現象の一つであること、どんぐりを知ることで、自然界の生き物のつながりに目が行くようになった。野鳥にとってうれしいどんぐりや木の実は何かを研究し、豊かな森に集まる昆虫などの生き物が、野鳥のエサになっていることなどを学ぶんだ。
(3)高学年「営巣調査・自然の神秘のベールを解き明かす」
野鳥の森と校庭周辺に集中した営巣調査。高さ230cmで、穴の前が開けている場所。巣箱同士の距離は20m程度など、過去のデータを活用し、条件を整理した場所に巣箱を設置した。また、日本鳥類保護連盟と連携しながら「二つ穴巣箱」と「一つ穴巣箱」を設置し、営巣状況を調査、研究を進める。現段階では、営巣率、成功率ともにほぼ同じであった。来年度以降も継続調査を行い、二つの巣箱の有効性を調査していく。
2 守る活動
(1)低学年「冬場の給餌活動」
ヒマワリの種やアサの実など様々なエサを給餌台に置き、観察している。クロジやシロハラなど珍しい野鳥に出会うことがある。
(2)高学年「万能巣箱の設置・野鳥の森の自然を知り、守る」
昨年度末に万能巣箱を3か所設置し、ブッポウソウやフクロウなどの大型の鳥類や森に生息する動物の保護、観察活動を行えるようにした。
その結果、廊下から観察できる場所の万能巣箱に「ムササビ」が入るようになった。自然学習ができるトヨタの森の自然観察指導員から、ムササビについて学び、森のこと他の野生生物と共生していくことについて学んだ。今後の守る活動につなげていく。
3 広げる活動
(1)つながりを大切にした交流の広がり
本校の愛鳥活動を広く知ってもらうために、他校との交流を多く行った。秋田県の小学校とのリモート交流、 隣の小学校との交流、地元の高校との交流、子ども園の子どもたちとの交流などをした。また、自然いきいき発表会で地域の皆様の前で発表した。中でも、高学年は愛鳥活動で学んだことを絵本やデジタル絵本を製作し、本校に入学する子どもたちとその保護者に披露したり、野鳥の森の自然探検をしたりした。
(2)学んだことを広げる
自然いきいき発表会で研究成果を子どもたちの言葉で発表した。今回から、発表するだけの「一方通行」ではなく、ポスターセッションや体験活動を行うなど、屋台方式・ポスターセッション方式にしたことで、一人一人がこだわりをもって研究をしてきたことを広げることができた。
高学年は愛鳥リーフレットを製作し、市内の公共施設で配布していただいた。リーフレットを手にした東北大学の教授から連絡をいただくなど、広がりがみられた。また、バードカービングの制作を通して、鳥の体の構造について学ぶこともできた。作品は市内の自然観察園で展示され、本校の愛鳥教育の一端を知ってもらう機会となっている。
詳しくは、活動紹介の概要資料(右)と PR動画(下)をご覧ください。
PR資料
Skip to PDF content活動紹介動画
成果・工夫した点
1工夫したこと
(1)営巣調査「一つ穴巣箱と二つ穴巣箱の継続的な調査の基礎をつくる」
・高さ230㎝巣箱同士の距離約20m巣箱の前は開けている。三つの条件の統一。
・一つ穴と二つ穴の巣箱を交互に設置。年毎に一つ穴と二つ穴巣箱の場所を入れ替えて調査する。
(2)広げる活動「自然いきいき発表会」の進め方の刷新
・プレゼン等の発表形式から、一人一人のポスターセッション方式へ。自分の研究へのこだわりを強める。
・土壌生物調査を地域・保護者の皆様、他学年の友達に体験してもらう。コミュニケーションの深化とともに土壌生物調査の意味をより深く理解するようになった。また、自然のつながりの中で一番基盤になっていることに気付く。
(3)「野鳥の森」を子どもたちの研究拠点にする。
・昨年度までは、地域全体、近隣の山での営巣調査を行ってきたが、「学びたいことはすぐに現場に行って、実際に見る」ことを大切にしたいと考え、野鳥の森での学びを充実した。野鳥の森の研究を進めることで、植物を含む野生生物はお互いに共存していることに気付き始めている。
2地域との連携
(1)地域ボランティア「つばさと根っこの会」の活動
・野鳥の森で子どもたちが安全に、安心して活動ができるように、遊歩道の整備、階段整備、手すりのロープの更新などをしている。また、新しく学びを広げられるように、新しい遊歩道の整備などを行っている。資材はすべて自然に帰るものを使っている。
(2)二畳ヶ滝クリーン活動
・学区にある二畳ヶ滝は、カワガラスなどを観察でき、本校の探鳥会のコースになっている。景勝地であるため、ゴミが多く、自然への影響もある。年に一度、二畳ヶ滝周辺の清掃活動を行っている。草刈り作業などもあり、地域の方たちのお力をお借りしている。
(3)万能巣箱かけ
・万能巣箱は5m近い高さに設置する。そのため、地域に住んでいる木の伐採などの専門家がボランティアとして木に登り、設置をして下さっている。
3継続していること
・カラ類の営巣調査を継続している。設置方法や一つ穴、二つ穴巣箱など子どもたちの興味に合わせて、進化してきている。
・知る活動の給餌活動の継続。毎年、低学年は野鳥の秘密を新たに知ることで、6年間の愛鳥活動の基礎となる「愛鳥心」を育んでいる。
・バードカービングは鳥の体の構造を知るために長年継続している。
4成果と今後期待されること
・野鳥を基本とした野生生物と人との共生をテーマに研究を始めたばかりである。特に、野鳥の森で研究を進めることにしたことで、野鳥を中心としたさまざまな自然とのつながりに子どもたちの意識が向き始めている。野鳥の森にある割れた岩石と自然(水・氷・風化・コケなど)の関係に興味を抱き始めた子。どんぐりを学ぶ中で、野鳥のエサと樹木に興味を抱き始めた子。植物と土壌生物との関係に気付いた子。万能巣箱にやってきた小動物を知ることで、森全体の自然に目が向き始めた子。様々な興味を身近に感じ、自然界のバランスと人の関係や共生を考え始めている。
このような活動を続けていくことで、今までは、「自然を守る」という視点であった子どもたちが「自然との共生」について考えを深めていくことが今後期待できる。
🏫学校情報
豊田市立滝脇小学校
〒444-2212
愛知県豊田市滝脇町切石洞18-1
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