
ジャコウアゲハは南小にやってくるのか
ーチョウの飛ぶビオトープづくりー
🏫安曇野市立豊科南小学校📍長野県
〇活動期間:2025年4月~
※実践主体の本活動報告児童は2023年の4学年時から継続実施
〇参加人数・部活名等
第6学年1学級 29名<うちプロジェクトリーダー3名>
教員2名(理科教諭・学級担任兼環境教育係)
〇活動場所
学校ビオトープ、教室
活動内容
「ジャコウアゲハ」は、『安曇野市版レッドデータブック2024』で準絶滅危惧種に指定されている。本活動報告児童は、総合的な学習の時間で「ジャコウアゲハ」が地域の貴重なチョウだと知ったことから、保護するために学校でチョウが繁殖するビオトープを作ろうと考えた。これまで「ジャコウアゲハ」をクラスのみんなで3回にわたって飼育してきた。また、「ジャコウアゲハ」はどんなチョウなのか、なぜ生息数が減少しているのかを図書館の本やインターネットで調べたり、地域の専門家に聞いたりしながら調査して、理科教諭やクラスの友達と協力しながら「ジャコウアゲハ」の住める環境を作り続けてきた。本活動報告児童は、これまでの学習から分かったことを夏休みの自由研究でポスターにまとめた。学校ビオトープに「ジャコウアゲハ」の生育環境をつくることと、全校に「ジャコウアゲハ」のことを知らせ、活動を引き継げる方法を考えている。
活動のあゆみ
【5年生のとき】
本報告児童の所属クラスでは、5年生の4月から学校ビオトープやマイクロプラスチックについて調べる活動をしていたことから学級総合のテーマが環境学習となっていった。2025年7月14日、クラスの総合的な学習の時間に「ビオトープの自然を守ろう」という全体のゴールが決まった。 そのなかで、本報告児童は「ジャコウアゲハ」について調べたい思いが高まった。
2025年10月30日、クラスの中で、「ジャコウアゲハ」について調べたり、チョウのサンクチュアリづくりのプロジェクトチームが発足したりした。2025年12月16日、本校はユネスコスクールとして学校ビオトープを生かした環境学習の取り組みが認められ「信州 SDGs アワード2025」を受賞した。2025年12月25日。終業式で全校に本報告児童を中心としたクラスのプロジェクトチームが「ジャコウアゲハ」について紹介した。本報告児童が、「ジャコウアゲハ」についての取り組みをまとめ、応募した「日本環境教育学会 2025年度 まちのみんなに広がった私たちの環境アクション」で「日本環境教育学会賞」を受賞した。
2026年1月21日。「ジャコウアゲハ」に詳しい地域の昆虫専門家から総合的な学習の時間に学んだ。2026年2月8日、本校は長年の学校ビオトープでの環境教育の取り組みが評価され「全国学校園庭ビオトープコンクール2025」で「優秀賞」を受賞。
【6年生のとき】
2026年4月10日。地域の昆虫専門家から新たに分けていただいた「ジャコウアゲハ」をクラスで飼育し始めたうちの1頭が羽化し、成虫になった。しかし、校内にあった「ジャコウアゲハ」の食草のウマノスズクサが刈り取られたり、枯れてしまったりすることにクラスで危機感を募らせた。2026年4月15日、飼育ケースで飼育していた「ジャコウアゲハ」が弱ってきたので外に放すが、間もなく死んでしまった。「ジャコウアゲハ」の死を無駄にしないために、これから羽化する「ジャコウアゲハ」に対してできることはないかと考えた。飼育のためにガラスのショーケースを設置したり、ポスターを作成したり、「ジャコウアゲハ」の好む食草などを植えるためのビオトープづくりが始まった。スコップで穴を掘ったり、石を取り除いたりした。地域の博物館から分けていただいたウマノスズクサを植えた。4月30日。しかし、これまでに植えてあったウマノスズクサが枯れたと思っていたが、自生してきたことを確認できた。2026年6月上旬に地域の昆虫専門家に再び「ジャコウアゲハ」の幼虫を分けていただき、教室で飼育が始まった。6月9日は、総合的な学習の時間にサツキやブッドレアなどいくつかの苗木をクラスみんなで植えた。6月15日も継続して活動をした。2026年6月30日。 3匹目の「ジャコウアゲハ」が成虫になった。これまでの経験を活かし、羽が乾いた段階で子どもたちが外に「ジャコウアゲハ」を放した。また、これまで幼虫から飼育してきた「ジャコウアゲハ」は、すべて蛹になり、1学期中にすべて成虫になった。その後、これまでの学習のまとめとして、「ジャコウアゲハ」に関する本を作り始めた。2学期が始まり、一週間が経過した2026年9月3日には、以前本校で勤務していた理科教諭が飼育していた「ジャコウアゲハ」の幼虫を分けてくださり、今年に入って3回目の飼育が開始された。
今後の見通しとしては、別紙の記述にあるように苗木の植栽によってビオトープづくりが完成し、「ジャコウアゲハ」の成虫を放したものの、新しい卵や幼虫は確認できていない。本校では10年近く前から「ジャコウアゲハ」の取り組みを始めた教員がいたが、「ジャコウアゲハ」が定着しないわけは何なのか、ヒアリングし探っていく。本報告児童の仮説としては、ウマノスズクサの数や花の状態が十分ではなく、チョウが卵をうむ場所として選ばれなかったということである。よって、成虫になり、放したチョウは別の場所を見つけて飛び立っていってしまったのかもしれない。これらの仮説に対して、本報告児童はウマノスズクサが大きくなるように育てること、草取りをすること、花の種類や数を増やしたりして工夫していきたいと考えている。そして、いつかこの学校ビオトープに「ジャコウアゲハ」が飛び交い、「ジャコウアゲハ」が学校になくてはならない存在になればよいという願いがある。
PR資料
Skip to PDF content成果・工夫した点
【親しむ活動】
・学級や渡り廊下で「ジャコウアゲハ」を飼育した。
【理解する活動】
・理科専科の教諭、地域の専門家、博物館から、「ジャコウアゲハ」について学んだ。
・学級の総合的な学習の時間と学級活動と連続させて取り組んだ。
→教員や地域の関係者の支援を受けながら、子どもたちが主体的に活動している。
→保護者や下記の関係者とかかわりを深めながら、協力を得て活動をしている。
【守る活動】
・学校ビオトープにチョウのサンクチュアリづくりとしてチョウの食草等を植えた。
・教室で飼育することで外敵から守り、成虫まで成長させた。
【広める活動】
・2025年に授業参観で保護者にプロジェクトを発表した。
・全校集会を通して全校児童に「ジャコウアゲハ」を守ることの意義を啓発した。
・各クラスに「ジャコウアゲハ」についてのポスターを配布し、掲示してもらった。
・本報告児童が「日本環境教育学会 2025年度 まちのみんなに広がった私たちの環境アクション」で全国に活動を発信した。
→子どもならではの着眼点で広める活動をして、発表に工夫を施している。
<地域との連携>
地域の昆虫専門家様・・・「ジャコウアゲハ」の幼虫の提供、飼育の指導
豊科郷土博物館 様・・・「ジャコウアゲハ」の食草の指導
本校元教諭 ・・・「ジャコウアゲハ」の幼虫の提供、飼育の指導
<継続している点>
・「ジャコウアゲハ」の飼育
・「ジャコウアゲハ」のサンクチュアリづくり(草取りなど)
・学級の総合的な学習の時間での学習
→「ジャコウアゲハ」の生育環境の保全につながっている。
<今後期待されること>
・地域社会への発信
・学校として「ジャコウアゲハ」の継続飼育
・ユネスコスクールとしてSDGsと関連させたESD学習としての展開
・「ジャコウアゲハ」の成長記録をベースとした探究学習
🏫学校情報
安曇野市立豊科南小学校
〒399-8205
長野県安曇野市豊科2723番地
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